森から都会へ 回想

20161107
仕事で東京に来た。変な感じだ。ビルエヴァンスのワルツフォーデビイを聴きながら移動。ピアノの音がとても心地良い、心落ち着く。蒲田に着いて、富士そばの看板を見たとたん、そばが食べたくなったので、コロッケそばを食べる。蒲田の中古レコード屋に行ったが準備中、開店は13時から。バスの待ち時間にカフェでコーヒーを飲む。店内ではスタンゲッツが流れている。癒される。バスで移動してお仕事開始。お仕事を終え、御茶ノ水の中古レコード屋に行く。本日は、デクスターゴードン2枚、レッドガーランド1枚、キャノンボール アダレイ1枚を購入。いづれも夜に家でじっくり聴きたい一枚だ。夜は、友人たちと蒲田のジャズバー直立猿人に行く。古びた感がとてもかっこいい空間だった。
20161108
展示会初日。終わってから、先輩と渋谷でふぐを食べる。刺身、ひれ酒とても美味しい。その後新宿へ。解散。

20161109
昨日から、朝夜共にかなり冷え込んでいる。そんな中防寒着なし。ジミースミスを聴きながら、心を温める。オルガンの音は温かみがある。ゆっくりとした黒いリズムは心を心地良く静めてくれる。今日は展示会二日目。終わったら久しぶりに映画を見に行こうと思う。ドキュメンタリーかロマンポルノかフランスの名画か。

20161110
朝寒い。スーツしか持って来てないのでさらに寒い。今日もジミースミスを聴きながら。埼玉で仕事を終え、川崎の中古レコードTOPSに向かう。リーモーガンのワイルドスリンダーを聴きながら。どんなレコードと出会うのか楽しみだわぃ。

地震の日

 午前中で仕事をして終え、博多の駅の地下の食堂でいわしフライ定食を食べる。最近は仕事上、意識して魚フライを食べる。今回フライは身が薄く衣率が高い。いわしの風味というか匂いは十分過ぎる。その後、近くの中古レコードに行く。欲しかったジミーリードのアルバムがたくさんある。どれも2000円代と少し高い。中古レコードは1500円ぐらいまでと決めているので、買うのをやめる。駅には入り、アイスコーヒーとくるみアンパンを買ってベンチで食べる。新幹線に乗車、広島通過して少ししてから、車内の携帯アラームが一斉に鳴り出す。地震の警報だ。停電で新幹線も30分ぐらい止まる。鳥取で震度6の地震だ。ようやく新幹線が動きだし、岡山駅に着く。岡山周辺の電車は全て運休。すぐに米子行きのバスを予約しに行く。残り2席。ギリギリセーフ。時間ロスを最低限に抑え、バスで米子へ向かう。

ベルギー人と一緒

 昨日の夜、博多のジャズバーブラウニーにて。隣にベルギー人が座ってきた。ベルギー人と話すは初めてだ。5席と狭いカウンター、片言の英語で盛り上がる。要約するとこんな感じだ。ベルギー出身で今は仕事でドイツにいる。ロングバケーションで3ヶ月、1人で日本に来ている。仕事はプログラマー。日本に友達が多くいる。いつかは日本に住んで働きたい。ジャズやクラシックロックが好きで、ジャズは、オーネットコールマン、ジョンコルトレーンが大好きだと言う。マスターが、コルトーンのインプレッションをかけてくれた。ベリーグッド!

レコードの買い方

 中古レコード屋さんに行くと、いろんな値段のものがある。同じアルバムでも、輸入盤のオリジナル盤となると10万円以上、国内盤では1500円ぐらいと開きがかなりある。そんな中、わたしは中古で1000〜1500円ぐらいのアルバムを探す。探す順序は、まずアーティスト、価格、ジャケットデザイン、レコードの状態。そんな感じで、狭いエリアに1〜2時間ぐらいいて、買おうか買うまいか楽しく悩んでいる。ほんと悩ましいね。

中古レコード

 最近、県外に出るとよく中古レコード屋さんに行く。レコードを見ているとどうしても買わずにはいられない。レコードの大きな存在感、少し古びた紙の色と質感、50、60年代のジャケットデザイン、どれもシビれまくり。そして、プレーヤーから聞こえるまろやかな音を想像するだけで、テンションが上がりまくり購買欲が絶頂に達する。気づいたら10枚ぐらいに持っている。さすがに全部買う訳にもいかず、そこから時間をかけて、なんとか2.3枚に絞る。よく考えると大作業だ。でも楽しいね。


【購買したレコード】
●ジェリーマリガン チェットベイカー カーネギーホール

●ジェリーマリガン ア コンサート イン ジャズ

●哀愁のメキシコ チャールスミンガス

●アローン アゲンイン ビルエヴァンス

●ライブインカーネギーホール エラフィッツジェラルド

 

オルガンジャズ

 ピアノは繊細で直線的、計画的に全体を整える。美しい音色は体の奥まで届く。一方オルガンはどうか。不器用で大ざっぱ、激しい喜怒哀楽は心の浅瀬で大胆にダンスする。

 ブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンは、ジミー・スミスのオルガンにブラックミュージックの真髄を見たと言う。音楽の「黒い」と言われる部分、そこには黒人の歴史が凝縮されている。日本人が侘しさ寂しさを、美しさに変えることができるように、黒人は悲しみ怒りを、楽しさに変えることができる。そうして黒い部分「ファンキー」は生まれる。アルフレッド・ライオンは、勿論それを知っていたし、そこから生まれる黒いフィーリングをかっこよく磨いた。

「2つの疑問と仮説」

ブルーノートの音楽は、なぜかっこいいか?
日本人はなぜビルエヴァンスが好きなのか?

 

 ジミースミスにブラックミュージックの真髄をみたであろうアルフレッドライオンは、ジャズやブルースのルーツである労働歌、人を埋葬する時の楽隊演奏曲、教会音楽をよく研究し、さらにはその先にある黒人の虐げられた歴史を深く理解していただろう。
 理不尽な差別、残酷な虐待から生まれる深い哀しみと絶望、そして一瞬舞い降りる至福の悦びが交差する時、生へのリズムが生まれる。これがいわゆる黒いと言われる部分で、そこには黒人の歴史が凝縮されているような気がする。生へと向かって動き出した呼吸リズムは、ファンキーに激しく、深いソウルを伴いグルーヴは大きなエネルギーとなる。荒く激しくウェイヴした波は、次第に静かにゆっくりと我々を包み込む。ブルーノート創始者のアルフレッドライオンは、既にある音楽を録音したのでなく、自分が作りたい音楽を新たに録音した。黒人音楽の本質を捉え、その本質から感じたフィーリングで多くの音楽を作った。何事もいかに本質を捉えるのが大事なのかと気づかされる。
ならば、日本音楽、日本人文化のルーツは何かと探っていると必ず「詫び寂び」という言葉が出てくる。それがもう一つの疑問の答えに繋がる気がする。
 詫びとは、不足の中に心の充足を見出そうとする意識。寂びとは、閉寂のなかに奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美意識であるならば、詫び寂びとは、物質的には物足りない質素な状況で豊かさや美しさを感じること。エヴァンスは、戦争体験や、家族との死別で多くを失った。そして、失った悲しみを時間をかけて受けいれて消化しようとした。その時にリリシズムというフィルターが必要だったかもしれない。エヴァンスの感じた哀しみ寂しさは、リリシズムフィルターを通って美しい音へ変わる。一音一音は、まるで一粒一粒の宝石のように耳元で輝く。このシステムは、多くの詫び寂びを生んだ。