ひまわり

夏になると、沢山のひまわりが咲く畑がある。50本ぐらいあるだろうか。一斉に咲くひまわりたちは、どんな灯りよりもエネルギーに満ち溢れていて、見ているだけで元気になる。今年のひまわりはどうかというと、一斉に、とは程遠くまばら咲きで、1本が咲いては枯れ、1本が咲いては枯れと、畑というには寂しい限りだ。今年の夏は気温差がかなり激しい。きっと、ひまわりも不慣れな気温に戸惑い、一斉に咲くタイミングを逃したのに違いない。今年の体験は、きっと来年に繋がるはずだ。来年のひまわり畑が楽しみだ。

犬を飼う

今日珈琲屋さんに豆を買いに行った。店内奥には1匹の犬が寝そべっていて、ウー、ウー、と苦しそうに泣いている。店主に聞いてみた。わんちゃん、病気ですか? 年老いた犬でねぇ、もう16歳、人間でいったら90歳ぐらいなんだよね。ウー、ウー、ウー、小さな店内に響く泣き声。大丈夫よ、もうちょっと待ってねと豆を袋に詰める店主。

「犬を飼う」という漫画を想い出した。谷口ジロー作品の中でも大好きな作品だ。最期が近づいた犬とあたたかく見守る家族の短編もの。もうすぐ別れる犬と家族の物語なのに、タイトルは「犬を飼う」。きっと最期には、別れる悲しみ、出会った喜び、一緒に過ごした日々の愛しさが入り混じって、「飼う」ということが最大限になるんだなぁと思ったその時、この作品の偉大さに身震いがしたのを想い出した。珈琲屋の店主、犬を飼う。

寅さんが面白いわけ

ちょっと前から、暇がさえあれば寅さんを見ている。友人に「寅さんは、面白いよ!」と話すと皆が口を揃えて「面白い!面白い!」と言う。面白くないという人は周りにいないのだ。なぜ寅さんは面白いのか。ふと疑問が浮かんで自分なり追求してみたくなった。

映画「男はつらいよ」の魅力は、主演の車寅次郎を演じる渥美清さんにある。皆、きっと寅さんを演じる渥美さんが好きだから映画が好きなのだろう。そして、その寅さんという人物像を作り上げたのが山田洋次監督だ。寅さん像はどうやって作られたのだろうか。面白さの源は山田監督にあるだろうと考え、監督の書かれたエッセイをいくつか購入し読んでみることにした。やはり面白い。何が面白いかというと山田監督の日常が面白いのだ。エッセイを読むと、普段見過ごす些細なことが大胆に捉えられ面白く解釈され、日常がとても愉快に描かれている。これができるのはある意味才能だと思うが、才能は積み重なって輝いていく。寅さんは、山田監督の日常から生まれ、日常の小さな出来事が姿形を変えいくつも積み重なり出来上がったのだろう。芸術は自分の一番近い所から生まれると言う。まさしく寅さんもその通りかもしれない。寅さんのルーツが垣間見えたところで、それならば自分の日常はどうなのかと、次の展開へ進んでいく。

ノスタルジー

望郷、郷愁、過ぎ去った時代を懐かしむ心。古い木造の建物があって、道は石畳。右に曲がると石橋があって、川が流れている。左に曲がると坂になっていて上がっていくと階段になる。昔懐かしい風景の中にいると、時間を忘れ、空間を忘れ、その風景に溶け込んでいる。そんな時は、ジムホール&パットメセニーの「Jim hall And Pat Metheny」を聴いていたい。2人のギターの音色が気持ち良く響き合い、ノスタルジーを彩る。

 

 

1人居酒屋 大分編

久しぶりに大分やってきました。駅の工事が終わり、駅がスッキリサッパリ。楽しみはなんと言っても大分名物を食すに限ります。居酒屋カウンターにて、関あじは脂が乗って旨し、しいたけ塩焼きは思ったよりヌメリがよろし、野菜の浅漬けは180円で大盛り安し、きびなご天ぷらは鮮度感がよろし、かぼすチューハイはかぼす果汁がたっぷり大満足で言う事なし。以上。

駅弁

十数年ぶりに駅弁を買った。福岡小倉駅の人気NO1でかしわ弁当。駅弁というと、味が濃くて、量が少なくて、容器やデザインにやたら凝っているという印象がある。そして、アタリハズレがある。さぁ、かしわ弁当!味○、量△、容器、デザイン○。ハズレではないがアタリでもない。つづく

東山魁夷の美しさ

展示会に行ってきた。

風景画からは、作者が感じた圧倒感がそのまま伝わってくるようだ。絵には二人の人がいると言う。絵を描く人と観る人。作者は、両方の目を持ち合わせていたのだろう。
木々を描く群青色、緑青色は、とても美しく、森を包み込む霧と森中を流れる滝の白合いは、風景を柔らかくコーティングする。全体トーンは、穏やかで、優しく、可愛らしくもある。美しさにもいろいろある。東山魁夷の美しさは、青、緑、黒、白を配合した青色にあり、その青色で描かれる木々たちは、愛しくて愛しくてたまらないのだ。