オン タイム

 音楽は演る側と聴く側がいるけど、自分はもっぱら聴く側だ。音楽を演ることによって救われる人は多いが、音楽を聴くことで救われる人も多い。何もしたくない時に何もしないとさらに悪くなるので、よく音楽を聴く。昔、オンタイムで聞いてきたヒット曲たちだ。自分で作ったプレイリストをiphoneで聴きたり、YouTubeでMVを見ながら聴きたりする。すると、ゆっくりゆっくり元気になる。キット自分の奥底にある青春時代の楽しい記憶も再生されているのだろう。

続 犬を飼う

コーヒー豆を買いに行った。先日、店内の奥で苦しそうに唸っていた老犬が気になる。「わんちゃんは?」と聞くと、店主は、「・・・引き取りました。」と一言。それ以上の会話のやり取りはしなかった。漫画「犬を飼う」に出てくる夫婦は愛犬を亡くした1年後にひょんなことから猫を飼うことになる。短編作品「そして・・・猫を飼う」が始まる。ひょんなことで夫婦は活気を取り戻す。ひょんな感じがとてもとても良い。うちでも、ひょんなことから犬を飼っている。

第22作 男はつらいよ 噂の寅次郎

お盆や正月は楽しい日本映画が見たくなる。寅さんに会いたくなる。タコ社長で笑いたくなる。男はつらいよ第22作を見た。ストーリーは今昔物語の夫婦の話がテーマになっている。この話が志村喬さんの重みのあるゆっくりとした口調で語られる。最後の「無常」という言葉が心に響きわたり、しっかり心底に残る。映画の中で、もう一回寅さんが今昔物語を家族の前で話す。こちらは、ホラーな語りで、後味ひんやり。大原麗子さん演じる早苗は離婚し、泉ピン子演じる瞳は結婚をする。これもまた無常か。

世の中の不条理

 日本人は、どんな変化が起きようが割とそれが普通だと受け入れる傾向があるように思う。自分もそうだ。どこかの国みたいにクレーマーは少ない。少し目を向ければ、世の中には、えっと驚くことが多々ある。例えば、今バス停にいる。駅まで乗ると100円で済む。これを何かの間違いでタクシーを使ったとする。すると700円ぐらいかかる。街を知らない人はタクシーを使うかもしれない。ここで、タクシー高いよねとなる。だけど、タクシー側からしたら、これ以上安くしたら商売が成り立たなくなる。こうした提供側と消費側の事情の不一致が不条理を生んでいる。極め付けは、映画だ。映画作品を観るという観点のみでみた場合、映画館で見ると1800円、最安値でネットレンタルすると10円だったりする。これはあまりにもと思うのである。

真夏にスーツでネクタイ

お昼の暑い時に外を見歩いてあると、時々スーツでネクタイを着用してしている人を見かける。こっちは、半袖シャツでヒーヒー言いながら汗びっしょりで歩いているのに、そのような人を見かけると、ただただ尊敬である。職業柄にしても、この炎天下にスーツでネクタイという正装は絶対にしたくないし見たくもない。スーツでネクタイでしかもポーカーフェイスとくれば、それはまさに神技としか言いようがない。

ジョンレノンのキーホルダー

 2009年〜2014年ぐらいの期間、出張で博多に行くと必ず寄っていたお店があった。ママが一人で経営するビートルズのスナック「エッセ」。博多は勿論、全国から筋金入りのビートルズファンがやって来るお店。よく皆さんと一緒にビートルズを唄った。先輩方から、発音が悪いとか、同じ曲を何度も唄うことなどアドバイスを頂いた。

 2015年にママが亡くなり、ママの友人から形見のジョンレノンのキーホルダーをもらった。嬉しくて鞄の外側に、ずっと付けていた。ある日が鞄を見るとキーホルダー内ののジョンの顔写真部分がかけてなくなっていた。残ってるのはキーホルダーの銀色部分のみ。それからずっと鞄にしまっていたけれど、今日、「エッセ」のあった側の川に納めることにした。楽しかった想い出は、いつでも昨日のことのように鮮やかに蘇る。ありがとうママ、ありがとうエッセ、ありがとうビートルズ

 

ファンキー

 ファンキーと聞くと、カラフルで明るく元気でラスタでロックなイメージがある。一方で、健康的でまっすぐな感じはなく、どこか屈折しているけれどもかっこ良く踏ん張っている。そんな両者がうまくブレンドして、ファンキーという味わいを出していると思っている。

 ファンキーにも歴史がある。初期の頃は1950年代のジャズのハードバップというジャンルを指していたのが、転じて、リズム&ブルースを指すようになり、60年代にはFUNKという音楽ジャンルを確立していった。言葉にも歴史がある。
 初期のファンキーが生み出したリーモーガンの傑作「Slide Winder」を聴いている。黒く深く渋いテイスト、高いテンション、重層的な演奏、スィングでないロックなノリ、危険が香り、都会的センス。一言で言うと、ファンキーはカッコイイ!のだ。